夢ばかりを語る男

大学を卒業してOLになって単調なルーティンワークの退屈な日々を過ごしていたある日、大学時代の友人と久しぶりに飲みに行った時にナンパされたのが今の彼なんです。彼はバンドのボーカルをやっているらしく地元のライブハウスではかなりの固定ファンがいて人気があるみたいなんです。

ルックスもいいし、彼がバンドのしかも人気のあるバンドのボーカルだなんてちょっとした自慢ですよね。ただ、付き合って1年も経つというのに私1度も彼が唄っているライブハウスに行った事がないんです。彼、いわく俺の仕事は人気商売なんだ。

もちろん唄で勝負もしているけど固定ファンの半分は女なんだからお前、焼きもち焼くだろ?それにファンの子にも彼女の存在を知られたくないんだよ。ふ~んわかった。じゃあせめてあなたのバンドの話くらい聞かせてよ。オリジナルの曲?それとも誰かのコピーバンド?って聞くと全部俺が作詞作曲してんだよ。最近、もしかしてこいつらスカウト?っていう感じの奴らが来ててさ、もしかしたらメジャーデビューも夢じゃないかもな。でさ、今ちょっと曲作りに専念したいからバイト辞めようかって思ってるんだよ。

でさ、相談なんだけど俺、ここに一緒に住んでもいいかな?っていわれて2つ返事でOKした私。だって彼が作詞作曲?メジャーデビュー?もしそうなったらきっと彼はプロポーズしてくれるはず。でも同棲を始めて2カ月・・・彼が作曲している所も作詞している所も見たことがないどころか、ライブハウスで唄ってるっていうのもなんかあやしい・・・って女の勘が働いてある日後をつけてびっくり。彼はボーカルどころかただのウェイター・・・翌日、すぐに同棲を解消しました。